ドビュッシー「音楽と美術」

投稿者 admin on September 26, 2012

_1.JPGブリジストン美術館へ赴いてみました。「音楽と絵画が融合された新しいアプローチの美術展か!」と期待を膨らましていたものの、完全に裏切られました。音楽は一室だけ「海」か何かをスピーカーで流していたのみで、あとは会場のざわめきだけが耳に付き、印象派の静粛にして艶やかな色彩感を台無しにしてくれます。とはいえ、絵画の方のコレクションは圧倒的で、モネ「睡蓮」をはじめ、ルノワール、ドガ、ゴーギャン・・・と蒼々たる作家の原画がこれでもか!と展示されているので、印象派の絵画展としては充実しているのではないでしょうか。ドビュッシーに興味を持って、深く理解したいと思う人にはガッカリさせる内容かも知れません。彼自身、同時代という事も当然あり、印象派の代表的な作家たちと盛んに交流していますが、だからと言って絵画を眺めているだけでは彼の音楽を理解する助けにはならないでしょう(研究者は別として・・・)。何しろ彼自身は「印象派」と呼ばれる事をひどく嫌っていたと言います。(個人的には、古典的な音楽とまるで異なる和音や旋律、そして自然を題材にした幻想的な作風から受ける感覚はまさに「印象派」なので間違いではないように思いますが)

 それから「浮世絵」をはじめとする東洋美術やジャポニズムの影響は想像以上でした。自分の楽譜の表紙が「富嶽百景」のオマージュ(というよりそのまま)で、これも本人の指示だそうなので相当傾倒していたのでしょう。

 切り口は良かったのですが、何だか企画としての掘り込みが足りない気がしてしまいました。

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